2023年11月16日

10回目のフィエスタ・デ・エスパーニャによせて~

関係者インタビュー

Entrevista Fiestamilia!

創設者編

El fundador

人と人の縁を繋いで漕ぎつけた初開催、そして辿り着いた10回目

福島巨之さん

このフィエスタを創設し、11年にわたり育て上げ続けてきた私たちのJefe(ボス)である福島さん。なぜ、フィエスタを立ち上げたのか?なぜスペインだったのか?本日は根掘り葉掘り伺わせていただきます!まずは立ち上げの経緯について聞かせていただけますでしょうか?

福島さん:

娘が幼少の頃から仲良くしていたママ友に相談されたのがきっかけです。彼女はスペインの文化、とりわけフラメンコやカンテに魅了されていて、親子で訪西を繰り返していました。日本にこの素晴らしいスペイン文化をもっと広めたいと思った彼女は、お店を出したりイベントを開催したり…。そうやって色々な方法を考えている中で、私に相談があったのです。私も「やるとなったら大変ですよ~」と言いながら、つい面白そうと「よし、やってみましょう!」となってしまいました(笑) その頃はまだ、オクトーバーフェスト以外にヨーロッパ系の野外フェスで成功しているものは少なかったと思います。スペインには美食の文化もありますし、皆様に喜んでもらえるのではないかと思い企画を始めました。

きっかけはご友人だったのですね!しかしご相談を受けるということは福島さんご自身も別でイベント開催やこういった企画の立ち上げをされていたのですか?

福島さん:

そうですね。久しぶりに思い出しましたが(笑)こういった野外・フード系のフェスについては、2005年頃から企画運営に関わっていました。

そうだったのですね。先行して成功している事例も少ない中、探りながら様々な困難にも立ち向かって、今年の10回目が開催されていると思うと…私は今年から参画させていただいた身ですがとても感慨深いです。特にこれしんどかったな…というシーンはありますか?

福島さん:

思い出は語り尽くせないほどあるんですが、何よりこのコロナですね。一度開催を見送ることになりました。なので、今回が11年目で10回目となる訳です。続けることの大変さを感じていますが、ゆえに価値があるとの想いで実行委員一同頑張っています。
そして、野外なので当たり前なのですが、毎度の天気ですね。危険なほどの大雨大風ではなくても、どうしても来場者が減ってしまうので、出店者様の売上が伸びない時はやりきれない気持ちになります。一応、過去10年で最も降雨の少ない週末を選んで会期を設定してこのフェスを始めたのですが、なかなかうまくいかないときもあります。

コロナの影響はイベント・催事にとって本当に打撃の大きいものでしたね。その翌年になっても、開催こそあれども感染予防対策であらゆる管理がなされ、あのスペインの活気をフィエスタで表現するには、もどかしい規制も多くせざるを得なかったのは苦しかったと思います。天気の影響は野外ならではの悩みですね。でもやっぱ晴れの日が多いのは、適切な時期設定と我らの実行委員長が晴れ男ということでしょうか!(笑)

福島さん:

そうかもしれませんね(笑)
あと、特に印象的な思い出は初回開催の際、協力依頼のお願いをしに行く先々でなかなか信用してもらえず困ったこと。それはそうですよね。今まで私は全くスペインに関わってきていないのですから。ですが、2016年にお亡くなりになった堀越千秋さん(世界的に著名なスペイン在住の日本人画家)にお会いさせていただいたときのこと、「こういうのをまとめるときは外野がやるのがいいよ、君がやったらいい」と言ってくださいました。その言葉を胸に、そこからまたネジを巻き直して色々な方面にアタックしていったことを覚えています。

ご友人の相談から、有名画家さんに勇気をもらうなど。そんな様々な出会いに背中を押され、このフィエスタが今も続いているなんて、まだまだ聞きたいドラマがこの11年分たくさんありますが、改めて続けてきたからこそ感じる今のお気持ちはいかがでしょうか?

福島さん:

ボランティアの皆さんや実行委員会も、歴の長い人と最近入ってきてくださった新しい世代の方が喧々諤々議論を交わす姿を見るに、新しい時代を感じています。関わっていた面々もそれぞれライフステージを変えながら、毎年一度の再会を楽しみにしてくださっている方々も増えて、このつながりが広がってきたことを嬉しく感じています。

11年という月日の大きさを感じますね。まさにこの10回目の節目のテーマである「繋いできた。だから、広げていく」がぴったりの、これまでのつながりが輪のようにより拡大する、そんな年にしたいですね。それでは、最後にこれまで関わってきた方々、そして今年新たに出会える方々、すべてのFiestamiliaに一言お願いします!!

福島さん:

フィエスタと言えば、何と言ってもステージと食!に加えて様々なアトラクションや文化コンテンツも加え、東京の秋の日を家族や気の置けない方々とゆっくりと楽しんでいただけるように進化していきたいと思っています。多くの方々の協力を得て、今年は次の10年を感じていただけるような、そんなワクワクするような2日間にしたいと思っています。皆様、今年もぜひ足をお運びください!

設立の2012年から、この10回目にいたるまでに広がってきたつながりの輪の中心柱として、フィエスタをリードしてくださった福島さん。次の10年に向けてという強い意気込みもいただき、今年以降もさらに進化し紡いでいくストーリーを聞く日が楽しみです。これまでのインタビューでご紹介させていただいたFDE実行委員会は、仕事も年齢もバラバラなのに、それぞれ『日本最大級のスペインイベントの運営者』という自負をもって、「もっと多くの方にスペインを身近に感じていただきたい!」と活動しているチームです。そんなチームの中心で、この11年旗を振ってくださりありがとうございました。来年以降も引き続き、そんな福島さんや実行委員の皆さまに多くの人が引き寄せられ、新しい10年が始まっていきますよう!

Text:Nanaka Kikuchi / FDE実行委員会

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