2023年11月14日

10回目のフィエスタ・デ・エスパーニャによせて~

関係者インタビュー

Entrevista Fiestamilia!

ステージMC編

Gran pareja del escenario

熱く、楽しく、そして安全に。ステージの名コンビ

マリーサさん&ヒラマツカズヒロさん

グルメイベントとしても人気のフィエスタ・デ・エスパーニャ(以下フィエスタ)ですが、両輪となるのはスペイン文化を楽しめるステージプログラム。スペインを代表する舞踊・フラメンコをはじめ、スパニッシュギター、歌劇のサルスエラ、ポップ音楽のトゥナ、スペインで活躍するアーティストの登場、文化を伝えるトークなど多彩なプログラムが展開され、来場される方を魅了してきました。このステージをさらに熱く、楽しく盛り上げていくのがステージMCのお二人。モデル、タレントで、ソムリエの資格も持つワイン通のマリーサさんと、MC/DJユニット『DDS』のメンバーで、SNSでは“ビールおじさん”のアカウントでビールのある幸せな日常や非日常を綴るヒラマツカズヒロさんです。今回はコンビを組んで3回目。お二人にはこれまでのステージで印象にのこっていること、実はこんなことを意識しているということ、そして今年の見どころをうかがいましょう。
まず、マリーサさんは2015年の3回目からMCを務められています。きっかけは?

マリーサさん:

2014年に代々木公園でスペインフェスをやっているらしいと聞いたんです。それまで知らなかったんですけど、“そんなの私が出ないで誰が出るのよ”って(笑)。 “私出たいです”って自分でメールを送りました。

マリーサさんはお父様がスペイン人で、お母さんが日本人。まさにフィエスタにとってはうってつけの人。必然的な出会いでしたね。

マリーサさん:

実は初代の実行委員長だったマテオさんは知りあいでしたし、フィエスタではおなじみの音楽グループ『ラ・トゥナ』のおじさんたちはちっちゃい頃からよく知っていました。今でもステージで会うと“大きくなったなー”なんて。タイミング的には仕事で悩んでいた頃でした。当時は音楽番組のMCという仕事が多くて、それは楽しかったのですが、事務所のマネージャーとせっかくなのだからもっとタレント、MCとして“スペイン感を出していったほうがいいんじゃないか”と話していた時期だったんです。確かに音楽番組ではあまりスペイン感は出てなかったので。

タイミングも良かったんですね。ヒラマツさんのきっかけは?

ヒラマツさん:

僕は2回目、2014年。しゃべりではなく音楽のDJとして呼ばれました。その時は特設のサブステージでDJさんたちがプレイ。でも曲が“あれ?スペインじゃないなぁ”って。一応最後にヴォラーレを僕たちでかけたんですけど、“次回からは僕らにエンリケ・イグレシアスとかかけさせてくださいよ~”なんて実行委員会の人に言ってたらいつのまにか、じゃあ喋りの方もとなって。まあ、そのとき一緒に“ヴォラーレかけさせろ!”ってねじ込んだDDSのもう一人、岩瀬さんが、今や実行委員長ですからね(笑)

そうですね(笑)。そのもう一人という私が翌年からメインステージでマリーサさんといつのまにかMCをやっていて(笑)。その2014年、ヒラマツさんはフィールドで主にインフォメーションと夕方からの盛り上げの担当でした。

ヒラマツさん:

はい。それなのにいきなりメインステージのじゃんけん大会に、「じゃんけんおじさん」なる謎キャラであげられて。

マリーサさん:

覚えてる、覚えてる。誰や?じゃんけんおじさんって(笑)。

ヒラマツさん:

そんな感じで数年やって、2019年に、岩瀬さんから、“実行委員長になったのでメインステージ任せます”と。それで2代目夫婦漫才…いやマリーサとメインステージを担当することになりました。

(笑)。最初ステージにあがっていかがでした?

マリーサさん:

自分のアイデンティティのある場所に立てた、という気持ちになったのは今でもよく覚えています。やっとこの年で戻ってこれた。日本語とスペイン語を交えてフラメンコを呼び込む……最高ですよ。日本人もスペイン人のお客さんもいるし、そこにスペイン語で伝えることができる。“なぜ今までここにいなかったんだろう”とも思いました。子供のころからスペイン語、フラメンコ、スペインの音楽も周りにあって。ステージでセビジャーナス(皆で踊るスペイン舞踊)を一緒に踊った瞬間は感動的でした。来場者のみなさんは別に私を見にきてくれているわけではないけど、でも目線があったらみんな笑顔。幸せでした。

ヒラマツさん:

僕は逆にスペインのことは、サイクルロードレースで好きな選手がいたり、バスケやサッカーが強いというぐらいの好き加減で。スペインイベントがあるよって呼ばれても、ちょっとわかんないっすって(笑)。それがステージに出ることによって身近で文化や考え方も学ぶことができた。貴重な機会ですよ。最初はスペイン語だってオラ、サルー、ブエノスディアス…ぐらいからでしたけど、もうちょっとはできるようになりましたかね。

マリーサさんがスペイン通、ヒラマツさんがスペインビギナーの“僕ら”代表という感じ。いいコンビですね。ステージ上は華やかですが苦労したこともあるようですね。

ヒラマツさん:

僕がメインMCに変わったタイミングが2019年。コロナの影響で開催中止にするかしないか実行委員会も決断を迫られている状況でした。結果、開催となったのですが、会場を全部柵で囲って、検温・消毒の入場ゲートを設置。基本、僕が言うのは注意事項。そればかりずーっと。盛り上がったら抑えなきゃいけない。盛り上がりたいのは僕たちも一緒。でも続けていくためには……辛かったですね。フラメンコに合わせてにぎやかにしていた女性が、あとから「すいません、知らずに…」と泣きながら来ていただけたのは印象的でした。こちらも申し訳ない気持ちで……。前回はようやく、ステージ上でも盛り上げて、夕方からフィールドステージに降りたら、みなさん手をつないだり、フラメンコやトゥナの演奏で声をあげて。あれはウルってきましたね。

では、11年目の10回目。どういう気持ちで臨みますか?またどんな感じで楽しんでいただきましょうか。

マリーサさん:

10回目、私たちみんな、確実に歳をとってるじゃないですか。だからおばちゃんキャラでいこうかな。キャピキャピではなくどっしり構える感じ。“あんたスペインのそんなこともしらないの! スペイン不足よ!”ってやってみようかな(笑)。

ヒラマツさん:

マリーサ姐さん、怖いよ!(笑)

マリーサさん:

来場者の皆さんには、存分に楽しんでいただきたいですね。スペインは食文化、お酒文化強いじゃないですか。ステージ見に来るときは酒とつまみを持ってきてほしいですね。手ぶらはダメ(笑)。

ヒラマツさん:

僕らが呑んでいるのも見逃してください(笑)。オレ!フィエスタミリア!の掛け声とともにサルー(乾杯)したいです。それからメインステージはメインステージで面白いんだけど、夕方からのフィールドでのプログラムはみなさんとの距離が近い。目線が同じぐらいなので熱気も感じられますし、みなさんの眼も輝いていらっしゃる。そこから僕も本格的に呑み始めます(笑)。マリーサも一緒にフィールドでやりましょう!

マリーサさん:

もちろんです!

イベントを盛り上げることがMCの仕事ですが、実はそれと同じぐらい、いや、もしかしたらより大事な役割は、イベント自体を円滑に、安全に、楽しんでいただくために、声と言葉と表情で場を作っていくこと。お二人も楽しいかけあいの裏で、舞台が整うまでのつなぎや、演者さんが良いパフォーマンスができるような雰囲気づくり、ただ盛り上がるだけではない来場者の皆さんと演者さんや出店者さんとのコミュニケーションづくりを心掛けています。夕方あたりからは“呑ミュニケーション”になっているかもしれませんが(笑)。ぜひお二人の言葉に耳を傾けていただき、一緒に良き雰囲気を作っていきましょう!

Text: daiji iwase/FDE実行委員会

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